林業の世界では、木材の流れを川の流れに例えて、原材料である木材を産する森林を「川上」、うちのような消費者に近い木工品加工や工務店などを「川下」と表現します。
というか、(俺は知らなかったのですが)各業界とも原材料生産業に近い遠いを、川上〜川中〜川下で表現するらしいですね。
まぁ、林業の場合、比喩の表現でありながら実際に山から麓へ木材が流れてくるだけに、この例えがしっくりきます。
で、川下にいる木材加工事業者の立場としては、「良い木材をできるだけ安く入手する」ことが、自分の利益を増やす最良の手段であることは、言うまでもありません。
ただ、対外的に「値段がすべてだ!安くしろ!」なんて明言するのは問題ありますしw、一応本心としても「地域材を使って仕事しているのだから、自己利益の追求だけでなく地域への貢献も目指すべし」と思っています。
とりあえず、その貢献の一手段としてFSCのCoC認証事業者となっているわけですが、そのへんはまた別の機会に書いてみたいと思います。
俺自身は、趣味として木工を始めるまでの35年間、林業とは無縁の場所で生きてきました。ぶっちゃけ、興味も皆無でした。
木工の前の趣味がマウンテンバイクで、未舗装の林道を走り回っていましたから、むしろ「林業振興なんてどうでもいいから、林道を舗装なんかするなよ」くらいに考えていたかもしれません。
や、正直なところ、「林道を舗装するな」しか考えないくらいに、林業サイドのことに思いを巡らせる意識がありませんでした。
今もまだ、突っ込んだ議論ができるほどの知識はありません。
それでも、メーカーとして、原材料に対して一定の責任は負わなければなりませんので、端的に言えば「川上側の現状」についての勉強も多少しているところです。
ただ、突っ込んだ議論はできないので、この文章の本題はそこにはないですw
というか、ここまでが導入で、以下は林業自体無関係だったりしますwww
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2013/11/post-3745.html
(他者のブログへ直リンして良いものか分かりませんが、まぁ実名で「ジャーナリスト」を名乗っていらっしゃるので、問題はないでしょう)
そんな「川上」の勉強をしているうちに見つけた、森林ジャーナリストさんのブログです。
しつこいようですが、この方の提案や意見に賛否を述べるだけの知識はありませんので、そこはスルーしますw
以下、リンク先の引用です。
そして林業の現場はほとんどが山の中で、斜面。つまり位置エネルギーが利用しやすい場所である。かつての林業なら、修羅や木馬、川の筏流し……みんな位置エネルギーの利用だった。それが消えていく。トラックは、下り坂でもエンジンをふかす。
引用ここまで。
要は、かつては木材を、位置エネルギーを利用したエコな搬出をしていたのに、今は動力を使っている、ということを言いたいようです。
しつこいようですが知識がないので(以下略w)……
俺が引っかかったのは「トラックは、下り坂でもエンジンをふかす」の部分。
まぁ、みなさんお分かりでしょう。
「下り坂はエンジンブレーキを利用する」と教習所で教わったと思いますが、基本的に、自動車が動いている状態(エンジン回転数が一定の値を上回った状態)でアクセルから足を離せば、燃料の供給はカットされます。
つまり、下り坂をエンジンブレーキを使いながら車を走らせている限り、いくらエンジンが唸りをあげようと燃料は使っていないのです。
(トラックの場合がどうなのかは、ちょっと自信ないです。ひょっとしたら、アイドリング時程度の燃料供給はされているかもしれませんが)
「文章全体のテーマに対して、そんな瑣末な揚げ足取りをするな」と言われそうですねぇ。
でも、専門的な内容を説明する場合に、専門的な知識のない人にも分かるような例示や置き換えをするのは、一般的ですよね。
だからこそ、導入が「電動アシスト自転車を購入した」なんでしょうし。
フジテレビの「ほこ×たて」において、やらせがあったという話題が少し前にありました。
個人的には、バラエティなんてそんなモン(そもそも、テレビなんてそんなモン)じゃないの?と思ったりもしましたが、その他の「ガチ」であろう対決もやらせと思われてしまう、という弊害も指摘されていました。
文章も、同じだと思うのです。
専門的な内容を(専門外の人も読むであろうと想定して)分かりやすく説明しようと意識するのは、まぁ心あるジャーナリストさんなら誰でもしていることと思います。
ただ、一般人にも分かる記述の部分に「そりゃねーだろwww」とツッコミを与える余地があると、専門的な記述の部分にも「それっぽく書いてあるけど、この人(賛否はさておき)正しいこと書いてるのか?」と穿った見方をしてしまいそうです。
もったいないというか、損ですよね。
逃げ道なのかなんなのか、ブログの説明欄に「思いつきだから、丸ごと信じないでください」なんてことが書いてあります。
でも、このブログの筆者、著作があるみたいなんですよね。
著作は、思いつきじゃないから、丸ごと信じてOKなのかしら?
俺みたいなひねくれ者は、残念ながら「ブログがこんないい加減なら、著作も似たようなモンだろ」と思ってしまいますが、さすがに揚げ足を取りすぎでしょうかね。
2013年12月02日
門外漢に伝える意識
posted by Fairlane at 22:20| Comment(0)
| 日記
この記事へのコメント
コメントを書く